1. ICカード式キーボックスとは?
ICカード式キーボックスとは、従来の物理的な鍵や暗証番号ではなく、ICカード(社員証、交通系ICカードなど)やスマートフォンを認証媒体として利用する、鍵の管理システムを備えたキーボックスです。
鍵の持ち出しや返却の際に、登録されたICカードを本体にかざすことで本人確認を行い、鍵の収納部を解錠します。
ICカード式キーボックスの主な特徴
認証の厳格化: ICカードによる個人認証を行うため、「誰が」「いつ」鍵を操作したかの記録が残ります。これにより、鍵の不正使用や紛失のリスクを大幅に軽減できます。
利便性の向上: 普段利用している社員証などを鍵として使えるため、新たな鍵を持ち歩く必要がありません。
履歴の自動記録: 扉の開閉、鍵の持ち出し・返却など、すべての操作履歴を自動で記録・保存します(製品によりPCでの管理ソフトが必要)。紙の台帳による管理が不要になり、管理者の負担を減らします。
権限設定: 高度なシステムの場合、ICカードごとに、どの鍵の持ち出し・返却を許可するかといったアクセス権限を設定できる製品もあります。
鍵管理システム「Traka(トラカ)」の特長
Trakaは、セキュリティとトレーサビリティ(追跡可能性)に重点を置いた、インテリジェントな鍵・資産管理システムを提供する世界的メーカーです。ICカード認証やPINコード認証などを組み合わせ、高度な鍵管理を実現します。
抜群のマルチテクノロジーに対応したカードリーダーで幅広い非接触カードに対応Seos®、iCLASS SE、iCLASS®、MIFARE DESFire® (EV1/EV2)、MIFARE® Classic、そして日本国内で普及しているFeliCaにも対応しています。
HID Prox®、Indala® Prox、EM Proxなど、レガシーな非接触認証情報プロトコルもサポートします。
Trakaシステムの主な機能
iFob(アイフォブ)による個別管理:Trakaの鍵管理システムでは、鍵をiFobという専用の電子キーホルダーに取り付けます。
このiFobには固有のIDが組み込まれており、キーボックス内部で個別にロックされ、システムに登録されたユーザーのみが、権限のある特定の鍵を持ち出すことができます。
タッチスクリーン操作:
多くのモデルにカラーLCDタッチパネルが搭載されており、直感的な操作が可能です。
鍵の持ち出し・返却のガイダンス表示や、未返却鍵の確認などを簡単に行えます。
大規模・多機能管理:Traka Touch Proシリーズなどは、数百本単位の鍵を管理できる大規模なシステムに対応し、必要に応じて規模を拡張できます。
鍵だけでなく、高価な工具や機器などの資産管理にも応用可能です。
詳細な履歴管理:最大数万〜数十万件(モデルによる)の使用履歴を保存し、ネットワーク経由でPCでの一元管理やレポート出力が可能です。
3. ICカード式キーボックス導入のメリット
企業や施設において、ICカード式キーボックスを導入することで、以下のような大きなメリットが得られます。
セキュリティの向上: 誰でも鍵を持ち出せる状態を防ぎ、権限のある人のみがアクセス可能となります。
不正利用の抑止: すべての操作が記録されるため、「誰が鍵を握っているか」が常に明らかになり、不正な持ち出しや私的利用の抑止力になります。
管理コストの削減: 従来の台帳記入や目視確認が不要になり、鍵の貸し出し・返却の手間が大幅に削減され、管理者の業務効率が向上します。
鍵の紛失対策: 鍵が紛失した場合でも、最後に誰が持ち出したかを即座に特定でき、迅速な対応が可能になります。
ICカード式キーボックスは、セキュリティと利便性を両立させ、現代の厳格な鍵管理体制を築くための強力なソリューションです。
Trakaのような専門システムは、特に高度なセキュリティと大規模な管理が必要な現場で、その真価を発揮します。








